働き方改革と年次有給休暇だワン!
タロウ先生:今日はお金や保険の話とちょっと離れて、『有給休暇』についてのお話だワン!
政府が取り組んでいる「働き方改革」の一つに、「年次有給休暇の時季指定義務」があるワン!
あすか:そもそも、働き方改革ってどんなものだっけ?
タロウ先生:働き方改革とは、人口の減少などにより日本の労働力が減ってしまうことを見越して、働く人や労働生産性を増やすために行う改革だワン。働き方改革により、様々な法改正が行われるワン。
あすか:なるほど。その中の一つに、今言っていた有給休暇の事があるってことだね。
有給休暇って、他の人が取っていないと、なんだか取りづらいんだよね。
タロウ先生:確かに、日本の有給休暇の取得率は、国際的に見てもかなり低い数値だワン。2019年4月1日から施行される「年次有給休暇の時季指定義務」では、会社は年10日以上の有給が付く労働者に対し、1年以内に5日間は時季を指定し有給を取らせないといけないという決まりになったワン。
あすか:労働者は、最低でも5日間の有給が取れるっていうことだね。でも、もし取れなかったらどうなるの?
タロウ先生:会社側が罰金を支払うこととなるワン。金額は、達成出来なかった労働者一人につき30万円だワン。
あすか:1人につき30万円!?
タロウ先生:そうだワン。でも、いきなり罰金というわけではなく、まずは労働基準監督署の監督指導の下、改善を図る事となるワン。
あすか:そっかあ。でも、皆に有給をとってもらうのって、スケジュール管理がなかなか大変そう…。みんなで一斉に休まれても困るしね。
タロウ先生:逆に、会社全体をお休みにしてしまうという方法もあるのだワン!これは『計画的付与制度』といって、有給の5日を超える部分については、労使協定を結べば、その日にちを計画的に割り振ることが出来るのだワン。
この制度によって、会社全体、部署全体をお休みにしたり、個人の誕生日などをその日に指定して有給を割り振ることが出来るのだワン。
但し注意が必要なのは、あくまでも有給の5日を超える部分についてということだワン。5日間は、本人が自由に取得できる日として残しておかないといけないのだワン。
あすか:確かに、何かあった時に備えて何日かは残しておきたいよね。でも、例えば会社全体をお休みにした場合、もともと有給がない人とかはどうなるの?
タロウ先生:その場合、その人には特別の休暇を与えるか、少なくとも6割の休業手当を支払う必要があるワン。
あすか:なるほど。そうなると、大半の労働者に消化してもらいたい有給がある場合に有効な方法って感じだね。
タロウ先生:その通りだワン。また、すでに5日以上の有給を取得済みの労働者に対しては、時季指定は不要だワン。
あすか:私の会社は、有給を沢山使う人と全然使わない人とで分かれている気がするなあ。私も、なんだか気まずくて大事な用事がある時以外は使ってないかも。
タロウ先生:確かに、自分が休むことで周りに迷惑をかけたくないという気持ちも分かるワン。でも、それで皆が有給を取らないと、ますます皆が取りずらい環境になってしまうワン。
この『働き方改革』の一環である『年次有給休暇の時季指定義務』によって、『有給を取る=悪い(気まずい)』というイメージが変わると良いワンね!
あすか:そうだね、みんなで有給を取って、仕事もみんなで助け合えるのが一番だね!