危機!ソフトバンクを狙う「物言う株主」エリオットとは?分かりやすく解説!

「物言う株主」エリオット・マネジメントがソフトバンクG株を30億ドル分取得

2020年2月上旬、アメリカのヘッジファンド「エリオット・マネジメント」がソフトバンクグループの株式を約30億ドル分取得しました。

これはソフトバンクグループの時価総額の3%に相当します。

エリオットは「物言う株主」とも呼ばれており、今後ソフトバンクグループに与える影響が注目されています。

エリオット・マネジメントとは?

エリオット・マネジメントとは、アメリカの投資管理会社です。
現在約380億ドルもの資金を世界中で運用している、超大規模な会社です。

エリオットが得意とするのは、不良債権投資だワン。

不良債権投資って?

破綻しかけている国家や企業の不良債権を割安な価格で買い、その債権回収をすることにより利益を得るという手法だワン。

エリオットは買い占めた不良債権について貸し倒れを認めず、裁判所で争う形をとり、勝訴した場合は債務国の外貨資産や航空機など、あらゆるものを差し押さえ、資金を得るというような手法を用います。
そのやり方から、「破綻国家を狙うハイエナ」などという呼び名も付いています。

「ハイエナ」って、なんだか恐ろしいね…。

そうだワンね。
エリオットが起こした裁判の中でも、アルゼンチンとの闘争はかなり有名だワン。

アルゼンチン政府とエリオットの闘争

2001年、アルゼンチン政府はデフォルト(債務不履行)を宣言しました。
不履行とする債務の総額は1,000 億ドル以上でした。

その際、エリオットはアルゼンチンの債券を額面で6億ドル以上購入しました。

購入した債券は、額面で約6億ドルだけど、実際はその3割程度の価格で購入したと予想されているワン。

エリオットは購入した債券について不履行を認めず、利息等を含めた全額の返還をアルゼンチン政府に要求する裁判を起こしました。

最終的にこの裁判はエリオットの勝訴となり、アルゼンチン政府は22億8000万ドルをエリオットへ支払う形で決着がつきました。

額面6億ドルの債権を3割の価格で購入して、22億ドル以上を裁判で勝ち取るとは、とんでもないリターンだね。

エリオットはこのような手法を様々な国で繰り広げているワン。

エリオットが「物言う株主」と言われる所以は?

エリオットは、一年間で企業に行う提案活動が世界最多であることから、「物言う株主」とも言われています。

提案活動とは例えば、「自社株買いをしなさい」や「取締役を変更しなさい」などといった意見を企業に言うことだワン。

エリオットはソフトバンクにどのような影響をもたらす?

エリオットがソフトバンクグループの株を保有したという事は、超大手投資会社であるエリオットが「ソフトバンクグループの株式が割安(買い時)だと判断した」と解釈できるで、ソフトバンクグループの株主にとってはメリットになるかもしれません。

実際、エリオットがソフトバンクグループの株を買ったという報道後、ソフトバンクグループの株は一時的に上昇したワン。

しかしエリオットは「物言う株主」という呼び名で有名な通り、さっそくソフトバンクグループにも様々な意見を出している模様です。
要求の一つには、「2兆円規模の自社株買い」もありました。

以前、ソフトバンクグループ代表取締役の孫さんが自社株買いをした話を取り上げたけど、これにはエリオットも関わっていたのか…。

エリオットから要求があったことも、自社株買いをした理由の一つのようだワンね。

エリオットが保有するソフトバンクグループの株は時価総額の3%程度ですので、現時点でそこまで大きな力を持っているとは言えませんが、存在感や影響力があるのは間違いないでしょう。

ソフトバンクグループの2020年3月決算の確定数字は、5月18日に発表される予定だワン!

今後の動きにも要注目だワン!

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