【FP試験対策】10種の所得その⑥譲渡所得
目次
譲渡所得とは?
タロウ先生:今日は、譲渡所得についてだワン!
あすか:今日も分かりやすくお願いします!
タロウ先生:任せてだワン!譲渡所得とは、その名の通り資産を譲渡することで得た所得のことだワン!
但し、資産の譲渡の中でも譲渡所得になるものとならないものがあるので注意するワン!
【譲渡所得になるもの】
・土地、建物、株式等、著作権、特許権、ゴルフ会員権などの譲渡
・ 1個30万円を超える貴金属、骨董品などの譲渡
【他の所得となるもの】
・山林の譲渡 → 山林所得
・営利目的で継続的に行う資産の譲渡 → 事業所得または雑所得
【所得税が課税されないもの】
・生活用動産(家具・通勤用車両・衣類等)の譲渡
あすか:ふ~ん、生活用動産の譲渡については課税されないんだね!
タロウ先生:そうだワン!
譲渡所得の計算
タロウ先生:譲渡所得は、資産の種類などによって計算や課税方法が異なるワン!
あすか:え、そうなの!それはややこしい…。
タロウ先生:ゆっくり見ていけば大丈夫だワン。
①株式などの譲渡
②土地、建物などの譲渡
③①、②以外の譲渡
の3つに分けて、1つずつ説明していくワン!
①株式などの譲渡所得の計算
タロウ先生:まず、株式等の譲渡による所得は、下記の計算によって求めるワン。
株式等の譲渡所得 = 総収入額 - (取得費+譲渡費用+株式等取得の為の負債利子)
そして、譲渡所得の金額に対して、20.315%(所得税15%、復興特別税0.315%、住民税5%)の税率で『申告分離課税』となるワン。
あすか:なるほど、カッコの中の取得費やら何やらが必要経費ってことだね。
タロウ先生:そうだワン、ちなみにこの取得費については、総収入額の5%を概算取得費として計算することが可能だワン。
取得費が分からない場合や、実際の取得費が総収入額の5%よりも小さい時は、この概算取得費の額で計算してよいのだワン。
これは株式等の譲渡だけでなく、土地やその他の譲渡資産の取得費の計算をする際も同様だワン!
②土地・建物などの譲渡所得の計算
タロウ先生:土地、建物などの譲渡については、保有期間によって短期譲渡と長期譲渡に分かれるワン。
【短期譲渡】
取得の日から、譲渡した日の属する年の1月1日までの期間が5年以下
【長期譲渡】
取得の日から、譲渡した日の属する年の1月1日までの期間が5年超え
あすか:保有期間が5年を超えるか超えないかで、長期と短期に分かれるんだね!
タロウ先生:そうだワン!また、取得日や譲渡日は、原則は「資産の引き渡し日」だけど、 「契約効力発生の日(契約日)」とすることも出来るワン!
あすか:へぇ~。
タロウ先生:所得額の求め方は、短期譲渡、長期譲渡とも、下記の通りだワン!
土地・建物等の譲渡所得 = 総収入額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額※
あすか:この特別控除額っていうのは?
タロウ先生:土地や建物を譲渡した場合、一定の要件を満たすと所得から控除される金額があるワン。 『居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例 』などがあるワン!
あすか:そうなんだ!
タロウ先生:所得額を出せたら、短期譲渡については39,63%(所得税30%、復興特別税0.63%、住民税9%)、長期譲渡については20.315%(所得税15%、復興特別税0.315%、住民税5%)の税率で申告分離課税となるワン!
あすか:短期譲渡は39.63%、長期譲渡は20.315%って、長期譲渡は税率が約半分になるんだね!
タロウ先生:そうだワン、ここは重要ポイントだワン!
③土地・建物・株式等以外の譲渡所得の計算
タロウ先生:最後に、土地・建物・株式等以外の譲渡所得についてだワン。
こちらも保有期間によって短期譲渡と長期譲渡に分かれるワン。
【短期譲渡】
取得の日から、譲渡した日までの期間が5年以下
【長期譲渡】
取得の日から、譲渡した日までの期間が5年超え
(自己の研究成果である特許権などは所有期間に関係なく長期譲渡所得)
あすか:へぇ、土地・建物の場合は「譲渡した日の属する年の1月1日」が5年超えるか超えないかの判定日だったけど、こっちは「譲渡した日」が判定日になるんだね!
タロウ先生:その通りだワン!次に、所得額の計算だワン。 所得額の求め方は、短期譲渡、長期譲渡とも、下記の通りだワン!
土地・建物・株式以外の譲渡所得 = 総収入額 - (取得費+譲渡費用)ー特別控除額(50万円)
この特別控除額50万円については、短期譲渡、長期譲渡合計で50万円ダワン。
同じ年に短期譲渡、長期譲渡の両方があったら、まず先に短期譲渡所得から50万円を引くワン。もしそれでも引ききれない時は、残りを長期譲渡所得から引くワン。
あすか:そんな計算の決まりもあるんだね。
タロウ先生:そうだワン!所得額を出せたら、長期譲渡は所得額の2分の1を、短期譲渡は所得額そのままを、他の所得と合計して、総合課税となるワン!
あすか:長期譲渡所得は、金額を半分にしてから他の総合課税の所得と合算するんだ!
土地・建物も長期譲渡は税率が約半分だったね!長期譲渡の方が、所得税が安くなるんだね!
タロウ先生:その通りだワン!これで譲渡所得もばっちりだワン!
※この記事は、2020年2月現在の情報をもとに、個人の所得についての税制を説明したものです。
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