経済の仕組みとは?初心者向けに分かりやすく解説
目次
経済は、3つの大きな要素で出来ている
経済の要素① 取引
僕たちはいつも、あらゆる場面で取引をしているワン。
例えば、あすかは毎日スーパーやコンビニで買い物をするワン?
うん。
あすかは『お金やクレジット』を渡し、店員さんはそれと引き換えに『品物やサービス』を提供するワンね。
これが『取引』だワン。
人や企業、銀行、政府機関すべてがこの『取引』をしているワン。
取引が経済の一番基となる要素なんだね。
取引先の最大手は政府機関
取引先の最大手は政府機関だワン。
取引先の最大手は政府機関です。
政府機関は2つに分類されます。
1つは中央政府、もう一つは中央銀行です。
中央政府は国民から税金を徴収し、お金を支出します。
中央銀行は、一般の取引をするのではなく、唯一お金・クレジットの量をコントロールすることが出来る機関です。
具体的には、利子を調整したり、新しい通貨を印刷することが出来ます。
クレジットとは?
さっきからクレジットってう言葉が何度も出てくるけど、クレジットカードのこと?
クレジットとは、買い手と売り手の間で行う「信用取引」のことだワン。つまり「掛けで支払う」ことだワンね。
クレジットカードでの支払いも、信用取引だワン。
このクレジットが、経済に最も大きな影響を与えるのだワン。
現実社会で、お金と考えているものの殆どはクレジットです。
アメリカのクレジットの総額は約50兆ドルですが、実際に流通している通貨の総額は3兆ドルです。
クレジットの重要性
クレジットがあると、手持ち金以上の買い物が出来ます。
これにより人々の支出が増え、経済が大きく活性化します。
どんどんお金を使わないと経済が回らないってよく言うよね。
そうだワン。
なぜだか分かるワン?
えっと…私たちがお金を使わないと、お店などの企業が儲からない、そうなると従業員の給料も上がらない。
そしてそれは、回りまわって私の給料も上がらない。
逆にお金をたくさん使えば、お店も儲かって、従業員の給料も上がる。給料が上がればその人たちの支出も増えるから、回りまわって私の給料も上がる。
みたいな感じ?
そういうことだワン。誰かの支出は誰かの収入になる。
これが大きなポイントだワン。
クレジットにより手持ち金以上の支出を増やすことが出来れば、誰かの収入もその分増えるのだワン。
そうして全体的に経済の波が向上していくワン。
経済の要素② 債務の小さな周期
クレジット(=信用取引)によって、経済の波を向上させることが出来たワン。
しかしこの波は、ずっと上がり続けるわけではないワン、いずれ下がるときが来るワンね。
これが、経済の要素② 債務の小さな周期だワン。
インフレとデフレ
どうして波が下がるときが来るの?
経済の波が上がる、つまり人々の支出が増えると、消費が増えることになるので、物の値段も上がるワン。
しかし、物の値段が上がり続けるとインフレ(物の値段が上がり、お金の価値が下がる)を招いてしまうので、中央銀行はそれを避けるために利子を上げるワン。
中央銀行は利子を上げたり下げたりすることで、この波を調整しているのだワン。
中央銀行が、インフレを防ぐために経済の波を下げているんだね。
中央銀行が利子を上げると、お金を借りるためのコストが増えるので、お金を借りる事が以前より難しくなります。
お金を借りる人が減ると、その分人々の支出も減ります。
先ほどと同じように、誰かの支出は誰かの収入なので、誰かの支出が減れば誰かの収入も減ります。
こうして人々の支出が減り、収入が減り、物の値段は下がります。
これがデフレです。
経済の波が下がり、不景気と呼ばれます。
デフレになると、中央銀行は上げていた利子を下げます。
すると人々は再度お金を借りるようになり、支出が増え、収入が増えます。
この繰り返しが債務の小さな周期です。
この債務の小さな周期は、過去のデータでは5年~8年単位で繰り返され、何十年と続きます。
ここでポイントとなるのが、この債務の小さな周期は、繰り返される度に規模が膨らんでいくという事です。
人々は債務の返済以上に、借入と支出の額を増やす傾向にあるためです。
この繰り返される「債務の小さな周期」の集まりこそが、「債務の大きな周期」となっていきます。
経済の要素③ 債務の大きな周期
バブルの訪れ・崩壊
債務の小さな周期は、繰り返されるたびに規模が膨らんでいくワン。
しかし収入が増え、資産の価値も高まるといったような、物事がうまく進んでいるときは、貸し手はお金をどんどん貸そうとし、借り手もどんどんお金を借りたり使ったりするワン。
この傾向が社会に充満している状態がバブルだワン。
みんなもよく知っている通り、バブルは膨らみ続けることはできないワン。
バブルがはじける時が来るんだね。
そうだワン。
何十年も小さな周期を繰り返すたびに、雪だるまのように債務の規模が大きくなり、返済額が増えていくワン。
そしてあるタイミングで、所得よりも返済額が増える時が来るワン。
そうすると、人々はまた支出を抑えるようになるのだワン。
これが債務の大きな周期の頂点、つまり折り返し地点だワン。
この債務の大きな周期は、過去のテータでは75年~100年ごとに訪れているワン。
日本ではこのような状態が1989年に起こりました。アメリカでは、2008年や1929年に起こりました。
人々の収入が減り、資産価値が減り、クレジット(=信用取引)も出来なくなります。
借金を返済するために資産を売ろうとしても、市場は売りに出される資産で溢れているため、株式市場や不動産市場も暴落します。
中央銀行は利子を下げることで景気の回復をはかろうとし、時には0%になってしまうこともあります。
(アメリカでは1930年代や2008年にそのような現象が起きました。)
「債務の小さな周期」で起きた不景気は、中央銀行が利子を下げることによって回復させることが出来ました。
しかしこの「債務の大きな周期」では、債務の負担が大きすぎて利子の調節のみで回復させることは不可能となってしまいます。
人々の債務を減らし、「債務の大きな周期」を回復へ導く必要があるワン。
実際の経済では、次の4つの解決策が行われているワン。
経済の底からの回復方法
支出を縮小する
通常、まず人々は支出を減らします。
人、企業、政府みんなが支出を減らして債務を返済しようとします。
政府が支出を減らしたり増税するなどして、財政を持ちなおそうとすることを『緊縮策』というワン。
しかしこれでは先ほどと同じように、支出が減ることでデフレが起きます。
物の値段が下がり、いくら売っても利益が出ません。
企業は支出を抑えるため雇用を減らし、失業者が増えます。
そして、銀行に債務を返済できなくなる人が出てきます。
銀行にお金を預けている人たちは、自分の預金が不安になり引き出そうとします。
銀行は経営が難しくなりますし、人々や企業も苦しくなっていきます。
こうして経済恐慌が起こります。
債務を不履行とし、再編する
貸し手は、自分の債権が無くなってしまうことに不安を感じ、全額でなくとも回収しようとします。
返済額を減らしたり、利子の引き下げや、返済期間の延長など、債務の再編に同意します。
政府が富裕層の資産を徴収し分配する
中央政府は、企業の倒産や人々の失業が増えると徴収できる税金が減ります。
また、失業手当など、人々を援助するための支出が増えます。
徴収できる税金が減り、支出が増えるため、政府の予算負担が急激に増加してしまいます。
そうなると、政府は富裕層から税収を得ようとします。
富裕層としては、せっかく気づいてきた富を奪われ、経済恐慌によって資産も目減りしているため、たまったものではありません。
一方貧困層も、富裕層を毛嫌いするようになります。
こうして社会不安が生まれるワン。
これは国内だけでなく、国と国の間にも見られるワン。
時には戦争に発展してしまうこともあるので、大変危険な状態だワン。
自分に余裕がない時は、みんなピリピリしてしまうよね。
中央銀行が新しい通貨を発行する
社会不安が生まれ、クレジット、つまり信用取引が難しい状況に陥ってしまたので、お金が不足するワン。
そこで、中央銀行は新しいお金を発行するワン。
中央銀行は発行したお金で中央政府の債券を買います。
中央政府は債券を売ることでお金を得ることが出来たので、物品やサービスを買い支出を増やします。また、失業保険などの支払いに充てます。
取引の最大手、中央政府の支出が増えるという事は、人々や企業の収入が増えていくことになります。
こうして経済が回復していくんだね。
この4つの方法のバランスをとり、経済を調整していくことが大事だワン。
最後に
『経済は生き物』という言葉をよく耳にします。
経済は、人々、企業、政府によって日々活動を繰り広げています。よって未来の動きは誰にも予測が出来ません。
それが、『経済は生き物』よ呼ばれる所以です。
今日ご紹介した経済の流れは、過去のデータに基づいたお話ですので、将来起きる流れはまた違うものとなるかもしれません。
ですが、私たちが日々の経済活動を行う上で、少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうだワン。