【FP試験対策】老齢基礎年金を分かりやすく解説
目次
老齢基礎年金とは?
前回は、公的年金の種類について勉強したワンね。そのなかでも、今日は「老齢基礎年金」について勉強したいと思うワン。
たしか、老齢給付は「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」とで分かれているんだよね。
「老齢基礎年金」は、日本に住む20歳~60歳の人すべてが加入する、その名の通り基礎の部分だね。
ちなみに「老齢厚生年金」は、会社員や公務員が年金の上乗せとして加入している部分だよね。
そういうことワン。よく覚えているワン!
今日は、「老齢基礎年金」の納付期間や受け取れる年金の額、「繰上・繰下受給」、「付加年金」についてやっていくワン。
繰り上げ、繰り下げ?付加年金?
なんだかよくわからない言葉が出て来たよ?
一つずつ分かりやすく説明するので安心するワン!
老齢基礎年金の受給要件
まずは、老齢基礎年金の受給要件についてワン。老齢基礎年金を受け取るには、原則として下記の2つの要件を満たす必要があるワン。
【老齢基礎年金の受給要件】
・ 65歳以上
・『受給資格期間』が10年以上あること
この『受給資格期間』ていうのは何のこと?
簡単に言うと、年金を納付していた期間のことだワン。ただし、保険料を免除されていた期間なども含むので、正確には下記のような式になるワン。
『受給資格期間』=保険料納付期間 + 保険料免除期間※1 + 合算対象期間(カラ期間)※2
※1 保険料免除期間…法廷免除、申請免除、学生納付特例制度、納付猶予制度などを受けた期間
※2 合算対象期間(カラ期間)… 法律改正などの事情の為 、受給資格期間には含むが、年金額の計算には反映されない期間
なるほど。
ところで、納付期間が10年あれば年金が受け取れるなら、11年以上払い続けるのはもったいなくない?
それは少し、というかかなり違うワン。
受給資格期間、つまり保険料を納めている期間が10年間あって、初めて老齢基礎年金の受給要件を満たすことになるワン。
そして、老齢基礎年金を「満額」受け取るには、40年間きっちり保険料を納付する必要があるワン。
あ、そういうこと。じゃあ例えば、9年間だけ保険料を納めた人は将来、老齢基礎年金はもらえないのか、すごく損だね。
もし追納や後納が出来ない場合、そういうことになるワンね。
そして、あすかなどの会社員が加入している「老齢厚生年金」についても、受給の要件として「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること」というのがあるので、「老齢基礎年金」が受け取れない場合、必然的に「老齢厚生年金」も受け取れないことになるワン。
そ、そうなんだ。
老齢基礎年金は、いくらもらえる?
さて、老齢基礎年金の受給要件が分かったら、次はいくら貰えるのかが知りたいと思うワンね。
そうそう。満額貰うには、40年間保険料を納付しないといけないって言ってたね。
そうワン。そして、満額というのは、毎年変動があったりするワンけれど、例えば2021年度の価額は年額780,900円ワン。
年額780,900円てことは、一か月65,075円…。ここに厚生年金が加算されるっていうことか。
老齢厚生年金のことはまたあとで勉強するワン。
まずは、老齢基礎年金について、受け取れる年金額を算出する式を覚えるワン。
【老齢基礎年金の年金額】
$$\frac{保険料納付済期間+免除期間のうちの一定期間※}{480ヵ月(20年)} $$
※ 免除期間のうちの一定期間 …法廷免除、申請免除の内の一部
法廷免除、申請免除によって免除された期間も、一部は年金額の計算に算入されるワン。
ただし、学生納付特例や納付猶予制度によって「猶予」された期間は、年金額の計算には参入されないので注意が必要ワン。
老齢基礎年金の繰上受給・繰下受給とは
老齢基礎年金は、基本的に65歳から受給できるワン。
でも実は、もっと早くから、あるいはもっと遅くから受け取ることもできるのだワン。
えっそうなの!?
それなら、早くもらえるに越したことはなくない?
受給を早めると、その分受け取れる年金額が少なくなるワン。
反対に受給を遅くすると、受け取れる年金額が増えるワン。
なるほど、そんなうまい話は無いか。
受給を早めることを、「繰上(くりあげ)受給」といい、遅くすることを「繰下(くりさげ)受給」というワン。
減額、または増額の割合は下記の通りだワン。
「繰上(くりあげ)受給」
・60~65歳の希望する月から早めての受給が可能。
・年金額は、『繰上げ月数×0.5%』減額される。(減額された年金が一生涯続く)
(※2022年4月以降、『繰上げ月数×0.4%』に改正予定)
「繰下(くりさげ)受給」
・66歳~70歳の希望する月から遅らせての受給が可能。
・年金額は、『繰下げ月数×0.7%』増額される。(増額された額が一生涯続く)
(※2022年4月以降、繰下げ受給の上限が70歳から75歳へ引き上げられる予定。)
減額、または増額された年金額が一生涯つづくのかあ。これは慎重に考えないといけないね。
付加年金とは
第1号被保険者(自営業者など)で、将来受け取る年金額を増やしたいという人の為に、『付加年金』という制度があるワン。
付加年金(ふかねんきん)?
これは、付加年金保険料(月額400円)を国民年金保険料に上乗せして払うことによって、
将来受けとる基礎年金が、『納付月数×200円』分、年間で割増しされるという制度だワン。
ううん、なんだがお得なのか何なのか分からない…。
単純計算で、例えば10年間付加年金を納付した場合、
『10年(120ヵ月)×400円=48,000円』
48,000円を上乗せして支払うことになるワンね。
この場合の年金額の増額分はというと、
『 10年(120ヵ月)×200円=24,000円 』
24,000円が年額で上乗せされるワン。
つまり、2年間で元が取れるということワンね。
3年目からは黒字になるってことだね。
そうワンね。(黒字って…。)
さて、今回は老齢基礎年金について、いろいろ勉強したワンね。
次は老齢厚生年金について勉強したいと思うワン!
自分が将来受け取るお金のことだから、とても気になるなあ。次回もよろしくお願いします!