【FP試験対策】『大数の法則』と『収支相等の原則』生命保険料の利益

突然だけどあすかは、生命保険の保険料は、どのように算出されていると思うワンか?

う~ん。全然検討もつかないよ。

生命保険の保険料は、ある2つの原則に従って決められているワン。
今日はその2つの原則を紹介するワン。

大数(たいすう)の法則

まずは、『大数(たいすう)の法則』についてワン。

たいすうのほうそく…?

大数の法則とは、一つ一つの事象を見ただけでは規則性が無いことでも、多くのデータを集めれば平均的なデータが取れるということワン。

例えば、サイコロを振った際、『1から6のどの目が出るか』はバラバラワンね。
でも、何千回、何万回とサイコロを振り続けると、1から6の目が出る確率は等しい数値に近づいていくワン。

なるほど。
…つまりどういう事??

つまり、多くの人の死亡年齢データを収集すれば、その年齢の死亡率の統計を取ることが出来るということワン。

死亡率が高い年齢の世代であれば、保険料も高くなる、といったように、このデータをもとにして生命保険料を算出するワン。

なるほど。
一人一人の亡くなる理由に関連性は無いけれど、多くのデータを収集すると、死亡年齢の平均が取れるということだね。

そういうことワン!

収支相当(しゅうしそうとう)の原則

次にもうひとつ、『収支相当(しゅうしそうとう)の原則』というものがあるワン。

しゅうしそうとう…?

『収支相当の原則』とは、『契約者から受け取る保険料』と、『支払う保険料』がイコールになるように運営し、健全な保険料水準を保つことを言うワン。

ただし実際には、保険会社も利益を生み出して経費を支払う必要があるので、実際には

【契約者から受け取る保険料 + 運用益】 = 【支払う保険料 + 諸経費】

となるワン。

そうなんだ。
『収入 = 支出』 になるようにするということだね。

保険は、保険加入者がお互いに助け合う、相互扶助の仕組みによって成り立っているワン。そのため、保険料を貰いすぎてもいけないし、逆に少なすぎてもいけないということワン。

確かに、少なすぎたら保険金を払えなくなってしまうから、安くしすぎてもいけないんだね。

生命保険の保険料はどうやって決まる?

純保険料と付加保険料

さて、それでは、契約者から集める保険料はどうやって決められていくのか、その内訳を見ていきたいと思うワン。

まず、保険料は大きく、純保険料付加保険料に分かれるワン。

純保険料とは、純粋に保険金として支払われるための保険料のことワン。
つぎに付加保険料とは、保険会社を運営していくために必要な経費に充てられる部分の保険料のことワン。

ふうん、さっき『収支相当の原則』の話で、

【契約者から受け取る保険料 + 運用益】 = 【支払う保険料 + 諸経費】

となると言っていたけれど、【支払う保険料】純保険料で、【諸経費】付加保険料っていうことかな?

その通りワン!
ここまでは分かったワンね。

それでは次に、その純保険料付加保険料は、3つの予定基礎率というものによって計算されるということを覚えてほしいワン。

予定基礎率?また新しい言葉が出てきた。

3つの予定基礎率と余剰金

予定基礎率とは、下記の通りワン。

3つの予定基礎率

  • 予定死亡率 … 年齢や性別ごとの、いつ死亡するかの予想
  • 予定利率  … 集めた保険料を投資運用し、どのくらい利益を出せるかの予想
  • 予定事業費率 … 経営にどのくらいの経費が掛かるかの予想

上記の予想をもって、どのくらいの保険料にするのかが計算されるワン。

なお、純保険料予定死亡率予定利率を基礎として計算され、付加保険料予定事業費率を基礎として計算されるワン。

予定死亡率予定利率は、保険金を支払うための純保険料の計算に使われるんだね、

予定事業費率は、保険会社の経費がどのくらいかかるか、つまり付加保険料の計算に使われるんだね。

その通りワン。

そして、3つの予定基礎率はあくまでも予想なので、実際の数値と異なる場合があるワン。
実際の数値と異なり、集めた保険料に余りが出ることがあるワン。これを余剰金というワン。
余剰金とは簡単に言うと利益のことワンね。

それぞれの余剰金を、下記の通りに呼ぶワン。

  • 死差益(しさえき) … 予定死亡率よりも、実際の死亡率が少なく、支払う保険料が少なかったために出た利益
  • 利差益(りさえき) … 運用に回したお金が、予想よりも大きな収入になったために出た利益
  • 費差益(ひさえき) … 予想していた経費より、実際の経費の方が少なかったために出た利益

あれ、でもさっきの『収支相当の原則』だと、収入=支出になるんだよね。
利益が出るということは、収入の方がプラスになってしまうよね。

なので余剰金は、配当金という形で契約者に還元されるワン。

そうなんだ!

ただし、配当金が支払われる保険と支払われない保険とがあるワン。

また配当金が支払われる保険でも、上記の3種類の内の何の利益かによって、支払われるか支払われないかが異なる保険もあるワン。

えぇ?!ちょっと待って、なんだかややこしいよ。

そうワンね、それではちょっと表にしてみたワン。

保険の種類配当の有無保険料
有配当保険死差益、利差益、費差益、すべての余剰金について配当が支払われる。高い
準有配当保険余剰金のうち、利差益の部分についてのみ配当が支払われる。やや高い
無配当保険配当金は支払われない。安い

なるほど、余剰金の配当があるタイプと、利差益が出た場合だけ配当があるタイプと、配当が無いタイプの3つがあるんだね。

配当の有無によって、保険料も変わってくるというところもポイントワンね。

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